111G57

82歳の女性。肺炎で入院中である。抗菌薬が投与され肺炎の症状は軽快していたが、3日前から頻回の水様下痢が続いている。高血圧症で内服治療中である。意識は清明。体温37.6℃。脈拍76/分、整。血圧138/78mmHg。腹部は平坦、軟。下腹部に軽い圧痛を認める。血液所見:赤血球380万、Hb 12.0g/dL、Ht 36%、白血球9,800、血小板26万。腹部エックス線写真で異常所見を認めない。便中C.difficileトキシン陽性。

この患者に有効と考えられる薬剤はどれか。2つ選べ

バンコマイシン
クリンダマイシン
エリスロマイシン
メトロニダゾール
ベンジルペニシリン〈ペニシリンG〉

解答: a,d

111G57の解説

入院による抗菌薬投与後の水様下痢が高齢女性にみられている。便中C.difficileトキシンが陽性であることから偽膜性腸炎の診断となる。
a 正しい。従来の第一選択薬。現在でも現役である。
b リンコマイシン系抗菌薬。偽膜性腸炎の原因となりうる。
c マクロライド系抗菌薬。C.difficileには無効。
d 正しい。現在の第一選択薬である。
e ペニシリン系抗菌薬はC.difficileに無効。
108G35等で繰り返し問われている重要知識である。

正答率:99%

テーマ:偽膜性腸炎の治療薬

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