111G53

日齢5の新生児。在胎39週、出生体重2,840gで帝王切開で出生した。Apgarスコアは5点(1分)、9点(5分)。本日、心雑音を認めたため、心エコー検査を行ったところ大動脈遠位弓部狭窄、心室中隔欠損および動脈管開存を認めた。

今後、この患児にみられる可能性が高い症候はどれか。

上肢のチアノーゼ
上下肢の血圧差
尿量の増加
stridor
脾腫

解答: b

111G53の解説

大動脈遠位弓部縮窄に心室中隔欠損症〈VSD〉と動脈管開存症〈PDA〉とを伴っていることから、大動脈縮窄複合〈CoA複合〉と診断される。
a 下半身のみのチアノーゼをみる。
b 正しい。上肢血圧は保たれ、下肢血圧が低下する。
c 動脈管由来の乏しい血流が腎へ向かうため、尿量は減少する。
d クループ症候群など上気道狭窄でみられる症候であり、CoA複合とは関係ない。
e 白血病や溶血疾患など血液疾患でみられる症候であり、CoA複合とは関係ない。右心不全となり、高度な肝うっ血からの門脈圧亢進が起こって......という流れは遠回りすぎる。

正答率:85%

テーマ:大動脈遠位弓部縮窄(CoA複合)の症候

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