111G46

24歳の初妊婦。妊娠38週3日に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。入院後、陣痛は次第に増強し、陣痛発来後8時間で2,960gの女児を分娩した。Apgarスコアは10点(5分)であった。児娩出後30分が経過したが、胎盤が娩出されず、用手剥離で娩出させた。処置中に性器出血が増量し、胎盤娩出までの出血量は1,200mLとなった。意識は清明。心拍数72/分、整。血圧80/40mmHg。性器出血が持続し強い下腹部痛を訴えている。腹部の触診で子宮底を触知せず、膣鏡診では外子宮口が不明で暗赤色の腫瘤を認める。

性器出血の原因として疑う疾患はどれか。

胎盤遺残
頸管裂傷
弛緩出血
子宮破裂
子宮内反症

解答: e

111G46の解説

24歳の褥婦。「用手剥離」「強い下腹部痛」「子宮底を触知せず」といったキーワードより子宮内反症の診断は容易であろう。
a〜c 強い下腹部痛を訴えることはない。また、子宮底を触れなくなることもない。
d 初産婦であり、過去に子宮内操作をした既往もないゆえ、真っ先に考慮すべき病態ではない。また患者により下腹部痛を自覚する者もいるが、子宮内反症ほどの激痛とはならない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:94%

テーマ:子宮内反症の診断

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