111D57

76歳の男性。発熱と右季肋部痛とを主訴に来院した。昨日から右季肋部痛が出現し、今朝まで持続している。体温38.1℃。血圧124/86mmHg。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右季肋部に圧痛を認める。血液所見:白血球17,600。血液生化学所見:総ビリルビン6.9mg/dL、直接ビリルビン4.2mg/dL、AST 371U/L、ALT 297U/L、ALP 531U/L(基準115〜359)、γ-GTP 237U/L(基準8〜50)、アミラーゼ52U/L(基準37〜160)。CRP 16mg/dL。腹部超音波検査で胆嚢壁に異常を認めない。腹部CTを別に示す。

適切な対応はどれか。2つ選べ

抗菌薬投与
経口胆石溶解薬投与
膵頭十二指腸切除術
内視鏡的胆道ドレナージ
蛋白分解酵素阻害薬投与

解答: a,d

111D57の解説

高齢男性の発熱と右季肋部痛。右季肋部にある臓器は肝と胆であるため、フォーカスをこれらに絞る。炎症所見が強く、直接ビリルビン優位の黄疸、胆道系酵素の上昇を認めることから胆道炎を考える。CTでは中央部に高吸収域を認めており、胆管結石を考える。これにより急性胆管炎を呈した症例。
a 正しい。細菌感染が考えられ、抗菌薬が有効。
b 非急性期の胆嚢内結石に有効。
c 膵頭部癌や十二指腸乳頭部癌に有効。
d 正しい。ドレナージにより減黄を図る。
e 急性膵炎や播種性血管内凝固〈DIC〉に有効。

正答率:93%

テーマ:胆道結石への対応

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