111B60

既往歴:50歳ごろに脳梗塞。抗血小板薬を処方されている。

生活歴:喫煙は20本/日を43年間。飲酒は焼酎1合/日を38年間。

家族歴:父親が胃癌。母親が高血圧症。

現 症:意識は清明。身長168cm、体重72kg。体温36.3℃。心拍数96/分、整。血圧98/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様だが眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、心窩部に軽度圧痛を認める。表在リンパ節を触知しない。

検査所見:血液所見:赤血球276万、Hb 8.7g/dL、Ht 28%、白血球6,400、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.4g/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 45U/L、ALT 56U/L、LD 344U/L(基準176〜353)、ALP 322U/L(基準115〜359)、γ-GTP 87U/L(基準8〜50)、アミラーゼ120U/L(基準37〜160)、CK 78U/L(基準30〜140)、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸6.3mg/dL、血糖108mg/dL、HbA1c 5.8%(基準4.6〜6.2)、総コレステロール250mg/dL、トリグリセリド190mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 100mEq/L。上部消化管内視鏡像を別に示す。

治療として適切なのはどれか。

胃局所切除術
幽門側胃切除術
内視鏡的止血術
選択的迷走神経切除術
内視鏡的粘膜下層剥離術

解答: c

111B60の解説

画像では胃潰瘍と、同部位からの血液噴出がみられる。抗血小板薬の服用があり、易出血性であったのだろう。
a 良性腫瘍への対応。
b 胃癌への対応。
c 正しい。露出血管をクリップ等で止血する。
d 胃酸分泌を抑制すべく、胃潰瘍に行うことがある。が、現状況では血液噴出を止めることが最優先となる。
e 一部の早期癌への対応。

正答率:96%

テーマ:【長文2/3】上部消化管出血の治療

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