111B48

47歳の男性。頸椎脱臼骨折で入院中である。6週間前に高所で作業中に転落し、第5頸椎脱臼骨折に対して観血的後方固定術が行われた。今回、離床を目指したリハビリテーションを開始することとした。徒手筋力テストでは両側とも上腕二頭筋4、橈側手根伸筋3、上腕三頭筋0、深指屈筋0である。体幹筋と下肢筋の随意運動は不可能。両上肢尺側、体幹および両下肢の感覚は脱失している。

適切な対応はどれか。2つ選べ

頸椎間欠牽引
起坐時の血圧計測
移乗時の立ち上がり訓練
車椅子座位でのクッション材使用
短下肢装具を用いた立位保持訓練

解答: b,d

111B48の解説

上腕二頭筋(C5)、橈側手根伸筋(C6)は完全とは言えないものの、機能が保たれている。一方、上腕三頭筋(C7)と深指屈筋(C8)が徒手筋力テストで0であることからC7以下が完全に障害されていると分かる。
a 頸椎を間欠に牽引することで椎体への負荷を緩和したり、安静・固定を図ったりすることを趣旨とした治療である。本患者にはすでに観血的後方固定術が行われており、現時点では不要。
b 正しい。脊髄障害により自律神経障害が出現する。これにより起立性低血圧をきたしうるため、起坐時の血圧測定が有効となる。
c・e 「体幹筋と下肢筋の随意運動は不可能」とあり、立ち上がり訓練や立位保持訓練は現実的ではない。
d 正しい。C6まで機能が保たれているため、車椅子を利用することは可能。ただし、体幹〜下肢が障害されていることから褥瘡が発生するリスクは高い。クッション材の使用は適切な対応と言える。

正答率:80%

テーマ:C5脱臼骨折後の離床を目指したリハビリでの対応

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