111A29

70歳の男性。高熱と全身に拡大する皮疹とで入院中である。12日前に急性扁桃炎のため自宅近くの診療所でペニシリン系抗菌薬と非ステロイド性抗炎症薬を処方された。扁桃炎は軽快したが、5日前から39.0℃の発熱とともに口唇の発赤と全身の紅斑が出現した。その後、紅斑の上に水疱とびらんが急速に拡大した。背部の写真を別に示す。

症状が改善した後に行う原因薬の検査法として適切なのはどれか。

皮内テスト
パッチテスト
特異的IgE検査
常用量再投与試験
スクラッチテスト

解答: b

111A29の解説

ペニシリン系抗菌薬と非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉とを服用した後に全身の紅斑が出現しており、Nikolsky現象が陽性である。中毒性表皮壊死症〈TEN〉の診断。
a・e スクラッチ、プリック、皮内テストの3つはI型アレルギーの検査としてセットで覚えておこう。病歴をみる限り、I型(即時型)アレルギーは考えにくい。
b 正しい。IV型アレルギーの検査であるリンパ球刺激試験やパッチテストが有効。
c 特異的IgE検査〈RAST〉は抗原に対して文字通り特異的に産生されるIgEを検出するものである。これもI型アレルギーに有用。
d 同様の症状を再びきたしかねない。禁忌である。

正答率:67%

テーマ:中毒性表皮壊死症〈TEN〉改善後、原因薬の検査法

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