110I78

48歳の女性。手関節と手指の腫れを主訴に来院した。6か月前から両側の手首や手指の関節の痛みを自覚していた。市販の消炎鎮痛薬と貼付剤とで様子をみていたが改善しないため受診した。朝起きてから約1時間は手指を動かしにくい。身長155cm、体重45kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧132/74mmHg。両手関節、両手示指の中手指節関節〈MP関節〉および近位指節間関節〈PIP関節〉に腫脹と圧痛とを認める。尿所見:蛋白(―)、糖(―)。血液所見:赤血球392万、Hb 12.1g/dL、Ht 36%、白血球8,800、血小板45万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン3.7g/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 103mEq/L。免疫血清学所見:CRP 2.8mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉80IU/mL(基準20未満)、抗CCP抗体52U/mL(基準4.5未満)、CH50 55U/mL(基準30〜50)、抗核抗体陰性、抗SS-A抗体陰性。手の単純エックス線写真で異常を認めない。
この患者の早期の病変評価に有用な検査はどれか。2つ選べ
血管造影
関節MRI
筋電図検査
関節鏡検査
関節超音波検査

解答: b,e

110I78の解説

朝のこわばり、手・MP・PIP関節の腫脹と圧痛(DIP関節にはみられていない)、リウマトイド因子と抗CCP抗体の高値、といったキーワードから関節リウマチ〈RA〉の診断は容易。
a 血管疾患ではないため、不要(進行に伴い血管炎症状を合併することはあるが、「早期の病変評価」と言われているためここでは選べない)。
b・e 正しい。関節の評価をこれらの画像検査で実施する。
c 筋原性疾患ではないため、不要。
d 関節病変を評価可能であるが、侵襲を伴う検査であり「早期の病変評価」には適さない。

正答率:79%

テーマ:関節リウマチ〈RA〉の早期の病変評価に有用な検査

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