110I45

58歳の男性と55歳の女性の夫婦。本日午後11時に、下痢、嘔吐および腹痛を主訴に夫婦とも救急車で搬入された。夫は長期出張から午後8時に帰ったばかりであり、午後9時に夫婦揃って夕食をとった。妻によると献立は鍋物で、具材は冷凍にしておいた牡蠣、スーパーで本日午後に買った豆腐と野菜(春菊、ねぎ、もやし)であった。その他に米飯と市販の漬物と昨日妻が採った山菜の天ぷらで夫婦で同じ物を食べたという。午後10時ころより夫婦とも腹痛が出現し、症状が増悪したため救急車を要請した。
原因と考えられるのはどれか。
アニサキス
植物性自然毒
ノロウイルス
カンピロバクター
腸管出血性大腸菌

解答: b

110I45の解説

食中毒と思われる症例。選択肢を丁寧に1つ1つ除外していくこととなる。
a アジやイカ等の刺し身を食べた際に感染しやすい。
b 正しい。「妻が採った山菜」が原因として考えやすい。天ぷらは油で高熱処理するが、植物性自然毒は残存することもある。ものにもよるが、潜伏期は早いものだと1時間程度と極めて短い。
c 牡蠣によりノロウイルス感染をきたすことはあるも、冷凍してあり、かつ鍋に入れているので可能性としては低い。また、潜伏期は通常1〜2日である。
d・e バーベキューや焼肉で生焼けの肉を食べた際に感染しやすい。また、潜伏期は通常1日以上である。

正答率:74%

テーマ:植物性自然毒による食中毒の診断

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