110I43

52歳の女性。心雑音の精査のため来院した。職場の健康診断で心雑音を指摘されたため受診した。身長161cm、体重52kg。体温36.3℃。脈拍64/分、整。血圧118/68mmHg。体位によって変動する拡張期雑音を心尖部に聴取する。心エコー図を別に示す。病変は可動性を認める。
この患者に起こり得る症状または病態として考えにくいのはどれか。
発熱
失神
片麻痺
関節痛
肺塞栓

解答: e

110I43の解説

体位依存性の僧帽弁狭窄症〈MS〉様雑音がみられている。画像では左房内に病変がみられ、左房粘液腫の診断となる。
a・d 粘液腫がIL-6などの炎症性サイトカインを産生する。これにより発熱や関節痛などの炎症症状がみられる。
b・c 粘液腫がちぎれて脳へ飛ぶことで脳血流が低下し、失神や片麻痺をみる。
e 誤り。左房に存在する粘液腫が血流の流れに逆らって肺へ飛ぶ可能性はない。

正答率:78%

テーマ:左房粘液腫に起こりうる症状または病態

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし