110G40

45歳の女性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。35歳ころから気管支喘息のため自宅近くの医療機関に通院していた。3か月前から咳嗽の増悪を認め、1か月前から発熱、両肩関節痛、下肢のしびれ及び労作時の呼吸困難を認めるようになった。症状が増悪するため受診した。体温38.3℃、脈拍120/分、整。血圧132/86mmHg。心音に異常を認めない。両側の胸部でwheezesを聴取する。両肩関節の圧痛を認める。筋力低下と筋の把握痛とを認めない。両下肢の感覚障害を認める。血液所見:赤血球361万、Hb 9.1g/dL、Ht 31%、白血球23,500(桿状核好中球2%、分葉核好中球20%、好酸球65%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球10%)、血小板40万。血液生化学所見:IgE 760IU/mL(基準250未満)、AST 30U/L、ALT 22U/L、CK 66U/L(基準30〜140)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL。CRP 11mg/dL。
この患者の診断に有用なのはどれか。
MPO-ANCA
抗Jo-1抗体
抗SS-B抗体
抗Scl-70抗体
抗リン脂質抗体

解答: a

110G40の解説

発熱、しびれ、という血管炎を疑わせる所見に加え、気管支喘息の背景がある。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉〈アレルギー性肉芽腫性血管炎〉〈Churg-Strauss症候群〉を考えよう。好酸球とIgEの上昇もチェックだ。
a 正しい。MPO-ANCAが陽性となる。
b 多発性筋炎や皮膚筋炎で陽性となる。
c Sjögren症候群で陽性となる。
d 全身性硬化症〈SSc〉で陽性となる。
e 抗リン脂質抗体症候群〈APS〉で陽性となる。

正答率:94%

テーマ:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉〈アレルギー性肉芽腫性血管炎〉〈Churg-Strauss症候群〉の検査

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