110F26

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
89歳の女性。左膝の痛みを主訴に来院した。
現病歴:3日前から左膝の痛みと38℃の発熱が出現した。様子をみていたが症状が改善しないため家族とともに受診した。
既往歴:右変形性膝関節症。
生活歴:息子家族と同居。自宅周辺は押し車で散歩する。
家族歴:妹が関節リウマチ。
現症:意識は清明。体温38.7℃。脈拍96/分、整。血圧138/56mmHg。呼吸数18/分。SpO2 97%(room air)。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。左膝関節に発赤、熱感、腫脹、圧痛および膝蓋跳動を認める。
検査所見:血液所見:赤血球404万、Hb 12.1g/dL、Ht 36%、白血球6,300、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.4g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 14U/L、ALT 11U/L、LD 168U/L(基準176〜353)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、尿酸5.3mg/dL。CRP 2.1mg/dL。左膝関節エックス線写真を撮影後に左膝関節を穿刺し、関節液は黄色混濁である。左膝関節エックス線写真(A)と膝関節穿刺液のGram染色標本(B)とを別に示す。
次に行うべき検査はどれか。
膝関節造影
膝関節MRI
膝関節鏡検査
67Gaシンチグラフィ
関節液偏光顕微鏡観察

解答: e

110F26の解説

Aにて膝関節の線状石灰化が、Bにて好中球に貪食された結晶(ピロリン酸カルシウムと考えられる)がみられる。偽痛風を考えたい。尿酸値が基準値内であるため、痛風は否定的。
a〜e 関節液の偏光顕微鏡観察でピロリン酸カルシウムを描出することが診断に有用。ゆえに、eが正しい。

正答率:69%

テーマ:【長文1/2】偽通風の検査

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