110F19

50歳の女性。頭痛を主訴に来院した。2日前の夕食中に突然の頭痛を自覚した。翌日も頭痛は続き、37.8℃の発熱もあったため、自宅近くの診療所を受診した。鎮痛薬を処方され内服したが、頭痛が改善しないため救急外来を受診した。意識は清明。身長156cm、体重57kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧126/70mmHg。神経学的診察で脳神経に異常を認めない。項部硬直とKernig徴候とを認めない。四肢の運動系に異常を認めず、腱反射は正常でBabinski徴候を認めない。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。頭部単純CTを別に示す。
対応として適切なのはどれか。
経過観察
腰椎穿刺
止血薬静注
降圧薬内服
頭部CT血管造影検査

解答: e

110F19の解説

突然の頭痛。頭部単純CTよりくも膜下出血〈SAH〉の診断となる。
a 外傷性SAHでは保存的に経過をみることもある。
b 頭部単純CTによっても診断がつかないケースで実施する。
c 止血薬静注による止血効果は対症的であり、SAHの治療とはならない。
d 血圧は126/70mmHgと正常であり、降圧薬は不要。
e 正しい。出血している血管・脳動脈瘤の精査を行う。

正答率:62%

テーマ:くも膜下出血〈SAH〉の対応

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