110E68

検査所見:尿所見(-)、糖(-)、血液所見:赤血球424万、Hb 13.8g/dL、Ht 48%、白血球8,600、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 21U/L、ALT 28U/L、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、血糖85mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 1.2mg/dL。動脈血ガス分析(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下):pH 7.20、PaCO2 64Torr、PaO2 62Torr、HCO3 24mEq/L。胸部エックス線写真と骨盤部エックス線写真とで異常を認めない。頭部単純CTで異常を認めない。
この患者に行うべきなのはどれか。
人工換気
抗菌薬投与
脳室ドレナージ
抗てんかん薬投与
副腎皮質ステロイド投与

解答: a

110E68の解説

墜落事故での頭部強打。「現症」の記載からは頭部以外に障害はみられていないようだ。検査所見ではリザーバ付マスク10L/分の酸素投与下でもPaO2が62Torrと低値を示している。PaCO2も高値であり、脳幹の呼吸中枢が障害され、肺胞低換気になっている可能性が高い。
a 正しい。人工換気が最優先となる。
b 白血球数やCRPは微増しているが、現在で細菌感染への対処をする優先度は低い。
c 頭部単純CTで異常をみとめておらず、頭蓋内圧亢進や水頭症は考えにくい。ゆえに脳室ドレナージによる減圧を図る必要はない。
d てんかん発作はみられていない。
e 現時点で副腎皮質ステロイドが有効な側面はない。

正答率:97%

テーマ:【長文2/3】墜落事故への対応

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