110E45

30歳の初妊婦。妊娠35週。胎動減少を主訴に来院した。妊娠33週までの妊婦健康診査では特に異常を認めなかった。10日前から持病の腰痛のため毎日非ステロイド性抗炎症薬を含有した市販薬(貼付薬と内服薬)を使用していた。昨日から胎動が少ないという。胎児心拍数陣痛図では胎児心拍数基線は140/分で正常な基線細変動を認めるが、一過性頻脈は認めない。腹部超音波検査を開始したが、胎盤や羊水量に異常を認めない。
超音波検査で注意して観察すべき胎児の部位はどれか。
肝臓
動脈管
消化管

解答: d

110E45の解説

妊娠中に非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉を使用してしまったケースで、児にどのような影響が考えられるかを問うた問題。
a 胎児水腫では中大脳動脈の流速上昇がみられることがあるが、薬剤とは関係がない。
b 羊水過少時には肺低形成がみられることがあるが、薬剤とは関係がない。
c 先天性ヘモクロマトーシスでは肝障害をみることがあるが、薬剤とは関係がない。
d 正しい。NSAIDsは動脈管を収縮させる作用がある。
e 先天性の消化管閉鎖等を超音波検査でみることはあるが、薬剤とは関係がない。

正答率:77%

テーマ:妊娠中に非ステロイド性抗炎症薬〈NSAID〉を服用した妊婦の超音波で注意して観察すべき胎児部位

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