110A48

62歳の女性。腹痛と血便とを主訴に来院した。糖尿病と高血圧症とで自宅近くの診療所を定期受診していた。今朝から突然の左下腹部痛があり、その後、鮮血便を認めるようになったため救急外来を受診した。身長150cm、体重48kg。体温 37.2℃。脈拍84/分、整。血圧132/88mmHg。呼吸数20/分。腹部は平坦、軟で、左下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球384万、Hb 12.2g/dL、Ht 35%、白血球9,900、血小板25万。CRP 2.3mg/dL。下部消化管内視鏡像を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
腸結核
Crohn病
Behçet病
虚血性大腸炎
潰瘍性大腸炎

解答: d

110A48の解説

高齢者、左下腹部痛、糖尿病、高血圧、突然の鮮血便、とキーワードが怖いほど揃っている。画像にて縦走潰瘍がみられていることと合わせ、虚血性大腸炎の診断。
a 輪状潰瘍をみる。
b Crohn病でも縦走潰瘍はみられるが、突然の鮮血便はみない。
c 回盲部(すなわち右下腹部)の潰瘍をみる。
d 正しい。上記の通り。
e 腸管粘膜の高度発赤と連続性病変をみる。

正答率:89%

テーマ:虚血性大腸炎の診断

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