109I53

41歳の男性。労作時息切れを主訴に来院した。2、3か月前から坂道を歩くと息切れを自覚するようになり、1か月前から夜間就眠時にも呼吸困難を自覚するようになり受診した。18歳時に気胸で入院した。父親が心臓病を指摘されている。兄弟が3人おりいずれも高身長である。身長188cm、体重62kg。脈拍84/分、整。血圧110/34mmHg。胸骨左縁第3肋間を最強点とするIII/VIの拡張期雑音を聴取する。胸部エックス線写真(A、B)を別に示す。血液生化学検査、呼吸機能検査、心エコー検査および胸部造影CTを予定した。
認められる可能性が高いのはどれか。
CRP高値
僧帽弁逆流
大動脈基部拡大
閉塞性換気障害
肺動脈主幹部拡大

解答: c

109I53の解説

気胸、家族歴、高身長、漏斗胸(画像B)などからMarfan症候群を想起する。「胸骨左縁第3肋間・拡張期雑音」から大動脈弁での逆流が存在することを見抜こう。そのため、画像Aでは肺うっ血と心拡大とがみられている。Marfan症候群には大動脈弁輪拡張症〈AAE〉を合併しやすい。
a 細菌感染にてみられる。
b 僧帽弁閉鎖不全症〈MR〉にてみられる。
c 正しい。AAEでは大動脈基部の拡大がみられる。
d 気管支喘息にてみられる。
e 肺高血圧症にてみられる。

正答率:81%

テーマ:Marfan症候群に由来する大動脈弁輪拡張症〈AAE〉の検査所見

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