109G58

32歳の女性。殺虫剤を飲んだということで搬入された。殺虫剤を飲んで嘔吐し、家族が救急車を要請した。搬入時、意識レベルJCS III-200。体温36.0℃。脈拍80/分、整。血圧110/72mmHg。呼吸数10/分。SpO2 98%(マスク6L/分 酸素投与下)。瞳孔径は両側1mm。流涙があり、鼻腔や口腔に分泌亢進を認める。便失禁があり、救急外来に到着したところで再び嘔吐して着衣が汚れている。
初期対応で除染シャワーを使う目的として正しいのはどれか。2つ選べ
医療従事者などの二次汚染を防ぐ。
殺虫剤が経皮吸収されるのを防ぐ。
酸性の胃液による皮膚損傷を防ぐ。
低体温にして消化管吸収を減らす。
着衣をぬらして脱衣しやすくする。

解答: a,b

109G58の解説

自殺を図ったのであろうか。殺虫剤を飲んだ32歳の女性が救急搬送されてきた。除染シャワーの使用目的を問うている。
a 正しい。二次汚染を防止すべく除染シャワーを用いる。
b 正しい。有機リンなど一部の殺虫剤は経皮吸収される。
c 胃液で皮膚が損傷されないことは飲み過ぎて嘔吐した経験のある医学部生であれば誰でも知っているだろう。
d JCS3桁の患者を低体温にさせるのは危険である。
e 服が濡れていたら逆に脱ぎにくくなる。

正答率:91%

テーマ:有機リン中毒で除染シャワーを使う目的

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし