109F20

40歳の女性。嚥下困難と嘔吐とを主訴に来院した。35歳を過ぎたころから前胸部に食物のつかえを感じるようになった。1年前から食物がつかえたときにお茶で流し込むことが月に2回程度あった。最近、食後に嘔吐するようになったため受診した。吐物はほとんど飲み込んだ食物であり体重減少はない。上部消化管造影像を別に示す。
考えられるのはどれか。
食道癌
食道憩室
逆流性食道炎
食道アカラシア
食道裂孔ヘルニア

解答: d

109F20の解説

40歳女性の嚥下困難と嘔吐。食後の嘔吐があり、吐物はほとんど飲み込んだ食物(すなわち胃内まで入っていない)とのことで食道の狭窄が考えられる。画像では下部食道に鳥の嘴状狭窄がみられており、食道アカラシアの診断となる。
a 「食物のつかえ」は食道癌のキーワードであり、一瞬選びたくなる選択肢ではある。しかし、比較的若い女性で体重減少もないため否定される。画像上も食道癌はみられない。
b 憩室は画像上みられていない。
c 逆流性食道炎〈胃食道逆流症〈GERD》では胸やけをみる。
d 正しい。上記の通り。
e 食道裂孔ヘルニアでは画像にて胃の胸腔内脱出がみられる。

正答率:96%

テーマ:食道アカラシアの診断

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