109E59

86歳の女性。歩行が不安定であることを主訴に娘に連れられて来院した。10年前から高血圧症、変形性膝関節症および変形性脊椎症で通院していたが、徐々に足の力が弱くなり歩行が不安定になったため受診した。自分で立ち上がり、どうにか屋内の伝い歩きをすることはできるが、月1回の通院以外はほとんど外出することはない。食事と排泄とはかろうじて自立しているが、入浴には一部介助が必要である。夫は5年前に肺癌で死亡し、現在は一人暮らしで隣に住む娘が介護している。半年前から1週間に2回の訪問介護を利用している。本人と家族に相談の上、訪問リハビリテーションを開始することになった。
リハビリテーションの到達目標設定のために必要な情報はどれか。3つ選べ
高血圧症である。
屋内は伝い歩きである。
入浴に部分介助が必要である。
夫の死因は肺癌である。
娘が介護している。

解答: b,c,e

109E59の解説

歩行不安定がみられる高齢女性の訪問リハビリテーションにあたって到達目標を設定させる問題。
a 高血圧症は確かに脳や循環器、腎に負荷をかけるが、この患者の主訴は「歩行が不安定」である。しかも脳梗塞によるものではなく、変形性関節症や脊椎症といった整形外科的理由による。そう考えると確かに高血圧症と本患者のリハビリとは直接の関係はなさそうだ。
b 正しい。伝い歩きではあるが独力での移動が可能である。この状態を維持することは1つの目標となりそうだ。
c 正しい。入浴は日常生活動作〈ADL〉の1つであり、聴取することが必須である。
d 明らかに関係ない。
e 正しい。介護者の有無、そしてどれだけの時間を患者に割くことができるか。こうした情報も必須となる。

正答率:91%

テーマ:リハビリテーションの到達目標

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし