109E55

76歳の女性。歩行が不安定になったことを主訴に来院した。3年前にParkinson病と診断され内服治療を受けている。最近、小刻み歩行が悪化し転倒が2回あった。通所リハビリテーションを始め、歩行補助具の使用を勧められて相談のため受診した。小刻み歩行とバランス障害とを認める。徒手筋力テストで下肢は4に低下している。50歳時に関節リウマチと診断され、現在は寛解状態であるが、手指の変形は強く握力は5kg程度である。6年前に夫と死別し一人暮らしになったため軽費老人ホーム〈ケアハウス〉に入居している。歩行補助具の写真(①〜⑤)を別に示す。
この患者に適切な歩行補助具はどれか。
① 
② 
③ 
④ 

解答: b

109E55の解説

Parkinson病による小刻み歩行とバランス障害で転倒がみられる高齢女性。最適な歩行補助具を選ぶ必要がある。「理学療法士に任せっきりではなく、医師もある程度の理解をしておけ」というメッセージを感じる(109H18でも似たような趣旨の出題あり)。本問では握力が5kgと低下していることがポイントとなる。
a ①はシルバーカー。ブレーキ操作が必要であり、握力がないと危険である。
b 正しい。②はU字歩行器。肘をついて動かすことができるため、本患者でも使用することができる。
c ③は持ち上げ型歩行器。本患者がこの歩行器を持ち上げられるとは考えにくい。
d ④は松葉杖。腋に挟んで用いるが、手での支持も必要であり、握力がないと使用できない。
e ⑤は4点杖。手での支持が必須であり、握力がないと使用できない。

正答率:90%

テーマ:Parkinson病患者に適切な歩行補助具

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