引き続き画像の読解に進もう。運動神経伝導検査は108B60で出題があり。このときと同じく、伝導速度に異常はなく、伝導ブロックがみられている。本問ではそれに加え、時間的分散も指摘可能(右尺骨神経の肘下や右腓骨神経の腓骨頭で波形のピークが多相になっている部分がそれに該当する)。これらの所見から末梢神経障害があることが言える。が、正直ここまで読解できる必要があるのか疑問である。また、108回当時の出題では「尺骨神経の運動神経伝導速度の正常値は45m/秒以上」と明記してあったが、今回はそれがなく、本番で伝導速度まで評価できた受験生は皆無だったと思われる(1マスが3 or 5msと示してあるため、自分の手首や肘をみながらその距離を推測し、速度=距離÷時間の公式から導くことは一応可能)。問題を解くには画像が読めなくてもよいのであるが、真に本質を理解して解くためには相当な神経領域の習熟が必要な難問である。
a 上述のように3か月にも渡って進行はしない。また、前駆感染がみられることが多い。
b 血糖値、HbA1cが正常であり否定的。
c 前脛骨筋の萎縮がみられる。
d 自律神経障害がみられる。
e 正しい。CIDPについては107I39で布石あり。
正答率:74%
テーマ:慢性炎症性脱髄性多発根神経炎〈CIDP〉の診断