109E43

36歳の初妊婦。妊娠28週。昨夜からの反復する腹痛を主訴に来院した。これまでの妊婦健康診査では特に異常を指摘されていなかった。1週前から腹部緊満感を自覚していた。子宮底長36cm、腹囲95cm。下腿に軽度の浮腫を認める。腟鏡診で分泌物は白色少量。内診で子宮口は閉鎖している。経腟超音波検査で頸管長10mm、内子宮口の楔状の開大を認める。腹部超音波検査で胎児に明らかな形態異常はなく、胎児推定体重は1,100g、羊水指数〈AFI〉38cm(基準5~25)。胎児心拍数陣痛図で10分周期の子宮収縮を認め、胎児心拍数波形に異常を認めない。
治療として適切なのはどれか。
塩分摂取制限
経腹的羊水除去
ループ利尿薬投与
プロスタグランディンF2α投与
非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉投与

解答: b

109E43の解説

妊娠28週の妊婦。10分周期の子宮収縮があるため分娩開始と定義される。内子宮口の楔状開大とも合わせ、切迫早産の診断となる。妊娠28週で胎児推定体重が1,100gであるのは正常。
a 今すぐの対応としては効果がない。
b 正しい。羊水指数〈AFI〉が高く、羊水過多が切迫早産の原因と考えられる。これを除去することが治療につながる。羊水除去は104I76でも出題があり、本問はこれの改変と考えられる(当時も妊娠28週の出題となっていた)。
c 体内の水分が失われ、脱水傾向となるため危険。
d 子宮収縮を助長するため、状態を悪化させる(28週であるため、可能な限りとどめておきたい)。
e 妊婦に非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉投与は禁忌。

正答率:75%

テーマ:羊水過多による切迫早産の治療

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