109D48

57歳の女性。両側顎下部の腫脹を主訴に来院した。1年前から右顎下部の硬い腫脹に気付いていた。1か月前から左顎下部にも同様の硬い腫脹が出現したため、精査を希望し受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長160cm、体重52kg。体温36.2℃。脈拍68/分、整。血圧96/68mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(room air)。血液所見:赤血球368万、Hb 11.1g/dL、Ht 33%、白血球5,700、血小板21万。血液生化学所見:アルブミン3.9g/dL、IgG 2,160mg/dL(基準960〜1,960)、IgG4 756mg/dL(基準4.8〜105)、AST 20U/L、ALT 11U/L、尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、血糖98mg/dL。免疫血清学所見:CRP 1.2mg/dL、抗核抗体陰性、抗SS-A抗体陰性。ガリウムシンチグラフィで両側顎下腺、甲状腺および膵臓に取り込みを認める。頸部の写真を別に示す。
確定診断に必要な検査はどれか。
TRH試験
顎下腺生検
Schirmer試験
グルカゴン負荷試験
ポリソムノグラフィ

解答: b

109D48の解説

唾液腺腫脹、IgG高値、甲状腺炎・膵炎の存在、IgG4の高値などよりIgG4関連疾患が考えられる。ガリウムシンチグラフィは全身の炎症の広がりをみる検査であり、これで取り込みを認めているということは炎症の存在を示唆する。
a TRH負荷は先端巨大症の検査である。
b 正しい。確定診断には顎下腺の生検にてIgG4陽性形質細胞の浸潤を証明すればよい。
c Schirmer試験はSjogren症候群の検査である。抗SS-A抗体は陰性であり、否定的。
d グルカゴン負荷は糖尿病の検査である。
e ポリソムノグラフィは睡眠時無呼吸症候群〈SAS〉の検査である。

正答率:90%

テーマ:IgG4関連疾患〈IgG4RD〉の検査

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