109C22

64歳の女性。頻脈と息切れとを主訴に来院した。高血圧症で治療中である。約2週前から家庭血圧の測定で脈拍が90/分を超えるようになり、1週前からは2階までの階段の昇降で息切れを自覚するようになったため受診した。食生活に偏りはなく、過去1年の体重はほとんど変化なく、便通はやや頻回で暗赤色便であったという。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧132/72mmHg。呼吸数24/分。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺腫を触知しない。心基部にI/VIの収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
次に診察する部位で最も適切なのはどれか。
眼底
上肢
乳房
直腸
下肢

解答: d

109C22の解説

便が暗赤色であり、貧血を呈している。心基部に収縮期雑音を聴取しているのは貧血の代償である。消化管出血を疑うべき。106C21とほぼ同様の問題。
a 糖尿病や高血圧の存在下で確認する。
b 鉄欠乏性貧血ではスプーンネイルを呈するも、それを選択させたいのであれば「上肢」という記載ではなく、「爪」や「手」と記すはずである。
c 乳癌や高プロラクチン血症の存在下で確認する。
d 正しい。直腸診にて便潜血の有無を確認したい。
e 静脈瘤や深部静脈血栓〈DVT〉の存在下で確認する。

正答率:91%

テーマ:消化管出血を疑う際に診察する部位

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