109C16

40歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。半年前に人間関係のストレスのため退職し引きこもるようになった。食事は即席麺やおにぎり、スナック菓子をスポーツドリンクやビールとともに摂取するのみであった。2か月前から歩行時にふらつくようになり、四肢末端のしびれ感が徐々に増強するため受診した。意識は清明。脈拍68/分、整。血圧148/86mmHg。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉30点(30点満点)。四肢の腱反射は左右差なく減弱し、手袋靴下型の表在覚と振動覚の低下を認める。
この患者で欠乏しているのはどれか。
ビタミンA
ビタミンB1
ビタミンB12
ビタミンC
ビタミンD

解答: b

109C16の解説

即席麺やおにぎり、スナック菓子・スポーツドリンクにビール、と食事のバランスが悪く、野菜も摂取できていない。この状況下でふらつき(失調性歩行)と四肢末端のしびれ(末梢神経障害)が出現しており、ビタミンB1欠乏による脚気が考えられる。
a ビタミンA欠乏では夜盲をみる。
b 正しい。上記の通り。
c ビタミンB12欠乏による亜急性脊髄連合変性症では錐体路障害がみられるため、腱反射は亢進するはずである。
d ビタミンC欠乏では壊血病をみる。
e ビタミンD欠乏では骨軟化症をみる。

正答率:82%

テーマ:偏食で発症するビタミン欠乏症

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