Gram陽性球菌が検出されており、化膿性脊椎炎の代表的病原菌である黄色ブドウ球菌が原因であると考えられる。黄色ブドウ球菌は感染性心内膜炎〈IE〉の代表的な原因でもあり、(可能であれば経食道での)心エコー検査の実施が推奨される。 化膿性脊椎炎の患者の合併症では、30%程度でIEの合併がみられたという報告がある。IE患者のうち15%程度で脊椎炎の合併がみられたという報告もされている。このように脊椎炎とIEには密接なつながりがあり、一方を診断した場合はもう片方の疾患も念頭に置け、という出題者のメッセージが込められている。 a 血管狭窄などの存在を考えた場合に行う。 b 膀胱内の腫瘤などの存在を考えた場合に行う。 c 脳膿瘍や脳腫瘍などの存在を考えた場合に行う。 d 正しい。上記の通り。選択肢の中で最も侵襲性の低い検査であり、敷居も低い。よく分からなくとも選べた受験生が多かったようだ。 e 脊椎炎が存在しており、その近傍を穿刺するのは禁忌(髄液へ菌が播種しかねない)。