画像Aでは左の糸球体に半月体形成を、右の糸球体にwire loop lesionを認める。画像Bでは基底膜に沿ったIgG沈着を認める。ループスが考えやすい。ループス腎炎では非常に多彩な所見がみられ、診断に難渋することも多い。 a ANCA関連血管炎の一部は半月体形成をみるが、IgG沈着はみられない。 b IgG4関連疾患における腎障害は間質が主座となる。本症例のように糸球体に沿った障害はみられない。 c 急性間質性腎炎も間質が病変の主体となる。 d 血栓性血小板減少性紫斑病〈TTP〉でも腎障害はみられるが、腎生検ではフィブリノゲンの沈着がみられる。IgG沈着はない。 e 正しい。上記の通り。