108G64

次の文を読み、64~66の問いに答えよ。
65歳の男性。頭部挫創を主訴に来院した。
現病歴:飲酒後、家の階段の下で倒れているところを帰宅した家族に発見された。頭部に挫創を認めたため家族に付き添われて受診した。
既往歴:心房細動のためワルファリン内服中。
生活歴:定年退職後無職。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:アルコール臭があるが意識は清明。ただし、本人は受傷時のことは覚えていない。脈拍80/分、不整。血圧150/90mmHg。呼吸数24/分。頭頂部やや後方に3cmの挫創があり出血を認めた。身体の他の部位に創傷は認められなかった。
検査所見:頭部CTでは頭蓋骨骨折は認められず、後頭蓋窩にごくわずかな硬膜下血腫が認められた。
この患者における頭蓋内病変の重症化を予測する上で、最も注意すべきなのはどれか。
健忘
飲酒
年齢
創傷部位
ワルファリン内服

解答: e

108G64の解説

硬膜下血腫の診断はついている。高齢者でワルファリンを内服しており、易出血性にあることが懸念事項。
a 健忘は脳震盪によるもの。受傷後の記憶はあるため問題ない。
b アルコールによる酩酊での転倒の可能性が高いが、今後の重症化とは関係がない。
c 65歳であり、さほどの高齢とはいえない。
d 後頭蓋窩の受傷だとリスクが高い、というわけではない。
e 正しい。上述のように、ワルファリン内服中は血腫が増大しやすく危険である。

正答率:93%

テーマ:【長文1/3】硬膜下血腫を認める患者の重症化を予想する因子

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