108D49

39歳の男性。上腹部痛を主訴に来院した。昨日、夕食に自分で釣ってきたアジ、イカなどの刺身と天ぷらを家族4人と食べ、日本酒3合を飲酒した。その後約3時間で上腹部痛が出現した。家族に症状はない。今朝まで症状が持続しているため受診した。体温36.0℃。脈拍72/分、整。血圧122/76mmHg。呼吸数12/分。腹部は平坦で、心窩部に圧痛があるが、反跳痛と筋性防御とは認めない。血液所見:赤血球464万、Hb 14.0g/dL、Ht 42%、白血球8,800(桿状核好中球23%、分葉核好中球45%、好酸球10%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球16%)、血小板21万。血液生化学所見:アルブミン4.0g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 29U/L、ALT 17U/L、LD 187U/L(基準176~353)、ALP 321U/L(基準115~359)、γ-GTP 32U/L(基準8~50)、アミラーゼ85U/L(基準37~160)、クレアチニン0.6mg/dL。CRP 0.3mg/dL。
確定診断に有用なのはどれか。
腹部造影CT
腹部超音波検査
腹部エックス線撮影
上部消化管内視鏡検査
内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉

解答: d

108D49の解説

「自分で釣ってきたアジ、イカなどの刺身」を食べた直後に上腹部痛が出現しており、好酸球増多と合わせて寄生虫感染を疑う。アニサキスが最も考えられるが、確定診断には上部消化管内視鏡検査が必須。
a 腹部造影CTでも急性胃粘膜病変〈AGML〉は同定できるが、確定にはならない。
b・c 腹部超音波検査や腹部エックス線撮影でのアニサキスの同定は厳しい。
d 正しい。上部消化管内視鏡検査で胃の虫体が確認できる。そのまま摘除する。
e 内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉は胆道・膵管を検査可能。

正答率:93%

テーマ:アニサキス症の確定診断に有用な検査

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