108A56

21歳の女性。5日前から持続する咽頭痛を主訴に来院した。開口は25mmで嚥下困難を認めた。呼吸困難はない。体温38.0℃。脈拍92/分、整。血圧120/80mmHg。血液所見:赤血球353万、Hb 10.9g/dL、Ht 33%、白血球17,400(桿状核好中球15%、分葉核好中球72%、単球4%、リンパ球9%)、血小板33万。CRP 15mg/dL。口腔内の写真(A)と頸部造影CT(B、C)とを別に示す。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ
気管挿管
抗菌薬投与
咽頭切開排膿
抗ウイルス薬投与
経皮的頸部穿刺排膿

解答: b,c

108A56の解説

「開口障害」と写真Aからみてとれる「口蓋垂偏位」から何を考えるべきか、という点については104A14にて出題あり。単なる急性扁桃炎ではなく、扁桃周囲膿瘍だと診断できる。画像B, Cでも左方に膿瘍が指摘できる。
a 「呼吸困難はない」とあり、気管挿管は不要。
b 正しい。細菌感染が原因であるため、抗菌薬投与が有効。
c 正しい。膿瘍に対し、切開排膿を行う。
d ウイルス感染ではないため、無効。
e 経口腔的に切開排膿できるため、あえて経皮的にアプローチする意味は無い。

正答率:82%

テーマ:扁桃周囲膿瘍への対応

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