108A40

78歳の男性。2日後の胃癌の手術のため入院中である。主治医が両手の皮疹に気付いた。本人に聞くと、1か月前から痒みが強く、市販の止痒薬を外用していたが軽快しなかったという。他の部位に皮疹はない。左手の写真(A)と鱗屑の苛性カリ〈KOH〉直接鏡検標本(B)とを別に示す。
皮疹に対する治療のほかに、対応として適切なのはどれか。
手術を延期する。
病室を閉鎖する。
衣類を熱湯消毒する。
病室に殺虫剤を散布する。
接触した職員の皮疹の有無を確認する。

解答: e

108A40の解説

左手の写真では紅斑や鱗屑が、苛性カリ〈KOH〉直接鏡検標本では疥癬虫・虫卵がみられ、疥癬の診断。選択肢はどれも行って間違い、というものではなく、「強いて言えばeが無難」といった程度。自信をもっての正答が困難な悪問に思われる。
a 病院や医師により対応の差異がありそうだが、基本的には感染対策をきちんと行えば手術延期は必須とまではいえない。
b・d 感染対策をしっかり行えば、病室閉鎖や殺菌剤散布までは行う必要ない。
c 通常の洗濯でよい。
e 正しい。接触した職員や他患者の感染有無を把握し、感染拡大防止に務めるべきである。

正答率:90%

テーマ:疥癬の皮疹に対する治療のほかの対応

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