108A33

62歳の女性。交通事故で頭部を強く打って搬入された。搬入後、頭痛を訴え嘔吐を繰り返しているうちに意識レベルが低下し、JCS III-100となった。右瞳孔が散大し、対光反射が消失している。心拍数62/分、整。血圧180/90mmHg。呼吸数24/分。SpO2 99%(マスク6L/分酸素投与下)。
診断のためにまず行うべきなのはどれか。
頭部CT
脳波検査
腰椎穿刺
脳血管造影
脳血流SPECT

解答: a

108A33の解説

「右瞳孔が散大し、対光反射が消失」がキーワード。右の動眼神経が障害されている。動眼神経麻痺を見た場合に鑑別に挙げるべきなのは;
 ・脳ヘルニア(特にテント切痕ヘルニア)
 ・脳動脈瘤
 ・糖尿病性ニューロパチー
の3つである。交通事故で頭部を強く打ったとのことで、出血による脳圧亢進で脳ヘルニアが生じた、と考える。
a 正しい。頭蓋内出血を精査する。
b てんかんの精査などで有効。
c 頭蓋内圧亢進時の腰椎穿刺は脳ヘルニアを悪化させるため禁忌。
d・e 精密検査であり、現時点で「まず」行う検査とはいえない。

正答率:98%

テーマ:頭部外傷にまず行うべき検査

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