107I67

62歳の女性。手のしびれ感を主訴に来院した。8年前から高血圧症のため自宅近くの診療所で治療を受けており、2年前から血糖値の軽度上昇を指摘されていた。ほぼ同時期から両手の第2~4指の先端部に「ピリピリする」感じを自覚し、徐々に増悪してボタンが留めにくくなった。身長165cm、体重67kg。脈拍64/分、整。血圧150/86mmHg。声はこもった低音である。顔と手の写真(A、B)を別に示す。
確定診断のために測定するホルモンとして最も適切なのはどれか。
インスリン
コルチゾール
プロラクチン
アルドステロン
インスリン様成長因子-I〈IGF-I〉

解答: e

107I67の解説

画像Aでは眉弓部が膨隆し、鼻翼・口唇が肥大し、下顎の突出もみられている。画像Bでは手指の肥大がある。先端巨大症が考えやすい。過去にも105E28で顔貌の写真だけから診断をつけさせたことがある。手のしびれは手根管症候群、こもった低い声なのは声帯肥大で説明がつく。高血圧症と血糖値上昇がみられているのも本疾患に合致する。
a 血糖上昇をみているが、これは成長ホルモン高値によるものであり、膵由来のインスリン分泌が原因ではない。
b 同様に、血糖高値なのは副腎由来のコルチゾールが原因なわけではない。
c 先端巨大症ではプロラクチンが高値となることもあるが、プロラクチン高値だからといって先端巨大症の診断がつくわけではない。
d 高血圧なのは副腎由来のアルドステロンが原因なわけではない。
e 正しい。先端巨大症では成長ホルモンが高値となるが、IGF-Iも高値を示す。

正答率:93%

テーマ:先端巨大症の確定診断のために測定するホルモン

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