新生児の胆汁性嘔吐と血便。胆汁性嘔吐のみならVater乳頭より肛側の腸閉塞を考え、血便であればMeckel憩室などを考えていくこととなるのだが、両者が併存する例はめずらしい(新生児に腸重積はまれである)。腸閉塞かつ腸管出血がある病態を念頭におく。画像では十二指腸の狭窄と、それ以下に位置する小腸の絡まりあった像が描出されている。中腸軸捻転の診断である。 a 肥厚性幽門狭窄症で腹部に腫瘤をふれる。 b 正しい。緊急手術を行う場面である。中心となるのはLadd靱帯切除と軸捻転の解除である。また捻転の再発予防に腸間膜根部の切除を行い、虫垂も切除する。 c 背景には腸回転異常症があるため、虫垂は正中部にある。 d すでに診断はついており、下部消化管造影は不要。 e target signは腸重積でみられる。上述のように、腸重積の好発は生後3か月~1歳である。