両眼の前房に炎症細胞がみられており、前房蓄膿を想像するのは容易であろう。ただし、前房蓄膿→Behcet病と短絡的にキーワードでつないではならない。前房蓄膿は虹彩毛様体炎が存在することを示唆しているにすぎないのだ。ゆえに、ぶどう膜炎の鑑別を行うこととなる。画像A, Bでは視神経乳頭から広がる網膜剥離が指摘できる。画像Cでは網膜下の液体貯留がみられ、漿液性網膜剥離が考えられる。後眼部にまで広がるぶどう膜炎としてはVogt-小柳-原田病〈原田病〉を考えたい。 a・d 原田病に特徴的な所見である。 b 誤り。貯留しているのは漿液成分である。眼底出血はない。 c 原田病の前駆として感冒様症状をみる。 e 原田病では無菌性髄膜炎をみる。