107I42

36歳の2回経妊1回経産婦。妊娠39週5日。陣痛発来のため入院した。妊娠経過は順調であった。入院直後の内診では、分泌物は血性少量で子宮口は3cm開大していた。1時間後、突然の気分不快と持続性の腹痛とが出現した。その時の腹部超音波像(A)と胎児心拍数陣痛図(B)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
前置胎盤
子宮破裂
羊水塞栓症
HELLP症候群
常位胎盤早期剥離

解答: e

107I42の解説

突然の気分不快からは羊水塞栓も鑑別に挙がるが、破水に関する記載もなく、持続性の腹痛というのも非定型的である。決め手となるのは画像であろう。画像Aでは上方にecho free spaceがみられる。また画像Bでは遅発一過性徐脈がみられる。常位胎盤早期剥離の診断である。
a 前置胎盤では警告出血をみるも、無痛性であり、激烈な症状は呈さない。
b 前回妊娠が帝王切開であった場合にみられやすい。また、破裂後は子宮収縮がみられなくなるため画像Bに矛盾する。
c 破水に関する記載がほしい。また、腹痛ではなく胸痛をみることが多い。
d HELLP症候群では右季肋部痛をみる。また、HELLPの文字が表す溶血や肝酵素上昇、血小板低下の記載がほしいところだ。
e 正しい。上記の通り。

正答率:82%

テーマ:常位胎盤早期剥離の診断

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