107H33

次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
75歳の男性。胸痛を主訴に来院した。
現病歴:半年前に重い荷物を運んだ時に前胸部全体に締め付けられるような胸痛を自覚したが、数分で消失した。胸痛時には左肩にも痛みが広がった。その後も胸痛を感じるため受診した。受診時には胸痛はない。胸痛は体位を変換したり、自分で胸部を押さえても生じない。息切れや体重増加はない。
既往歴:60歳時から高血圧症と脂質異常症とで治療中。糖尿病は指摘されていない。
生活歴:喫煙は20本/日を55年間。飲酒歴はない。
家族歴:父親が肺癌のため75歳で死亡。母親が脳梗塞のため80歳で死亡。
緊急性の判断に最も重要な質問はどれか。
「夜はよく眠れますか」
「胸がドキドキすることはありますか」
「家族に同じような症状の人はいますか」
「最近はどのような時に胸が痛みますか」
「生活でストレスを感じることはありますか」

解答: d

107H33の解説

高齢男性の胸痛。高血圧症、脂質異常症、喫煙、と冠危険因子が盛りだくさんである。現時点では「重い荷物を運んだ時」とあり、労作性狭心症が考えやすい。
a うつ病など精神疾患や肺水腫による起座呼吸を考えた場合に重要。
b 不整脈を考えた場合に重要。
c 遺伝性疾患や伝染病を考えた場合に重要。
d 正しい。半年間の経過で労作性狭心症が急性冠症候群〈ACS〉(緊急の対応が必要)へ移行している可能性もある。これを聴取しておきたい。
e ストレスも狭心痛とは関係があるが、緊急性の判断には向かない質問である。

正答率:91%

テーマ:【長文1/2】胸痛を主訴に来院した高齢男性の緊急性判断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし