107G64

患者を救急室で診察し以下の情報を得た。
既往歴:幼少時からアレルギー性鼻炎がある。
生活歴:独身。1人暮らし。会社員。喫煙は20本/日を5年間。飲酒はビール500ml/日を5年間。
家族歴:母親が高血圧症で内服加療中。
現 症:意識は清明。頭痛と悪心とを訴えている。体温36.8℃。脈拍108/分、整。血圧140/90mmHg。呼吸数24/分。SpO2 92%(room air)。瞳孔は高度に縮瞳し、対光反射は消失している。鼻汁、流涎および発汗がみられる。四肢に運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。呼吸音に異常を認めない。心雑音を聴取しない。
この患者で予想される血液生化学所見はどれか。
CK高値
血糖低値
ALT高値
クレアチニン高値
コリンエステラーゼ〈ChE〉活性の低下

解答: e

107G64の解説

瞳孔が高度に縮瞳しており、有機リン中毒が考えやすい。わかりやすく言えば、「サリンによる集団テロ」である。
a 筋崩壊はみられない。
b 血糖値に変動はみられない。
c・d 急性期に肝障害や腎障害はみられない。
e 正しい。有機リンはコリンエステラーゼ活性を低下させる作用がある。これにより、コリン作用が強くなり、各種症状が出現する。

正答率:97%

テーマ:【長文2/3】有機リン中毒の所見

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