107F30

次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
22歳の女性。気分不良のため救護所に運びこまれた。
ある会社の社員運動会が4月に行われた。朝の社長訓示の際、体育館で社員は全員起立して訓示を聞いていた。患者は社長の訓示中に崩れるようにしゃがみ込んだため運ばれて来た。以下は患者、この患者に付き添ってきた同僚社員および救護所医師の会話である。
救護所医師「どうされました」
患者「気分が悪くなってしまい…」
同僚社員「先生、貧血です」
救護所医師「どんな様子だったかもっと詳しく教えて下さい」
同僚社員「社長の訓示中、気分が悪いと言ってしゃがみ込んだんです」
救護所医師「意識はありましたか」
患者「はい。意識はありました」
同僚社員「ええ。どうしたのと聞いたら、気分が悪いと本人が話していました。顔色も悪く、貧血だったので、そのままこの救護所に連れて来ました」
救護所でのバイタルサインは以下のようであった。
体温36.0℃。脈拍112/分、整。血圧120/70mmHg。呼吸数16/分。
この患者がしゃがみ込んだ際に診察していれば観察されたと推測される診察所見はどれか。
眼瞼浮腫
体温38.0℃
脈拍40/分
呼吸数24/分
拡張期血圧100mmHg

解答: c

107F30の解説

朝の社長訓示で長時間起立していた状況で若年女性が気分不良となった。崩れるようにしゃがみこんだ、とのことで血管迷走神経反射〈VVR〉と考えられる。同僚社員の「先生、貧血です」という発言に思わずニヤリとしてしまうのは本解説執筆者だけではあるまい。一般人の言う「貧血」は医療者の言う貧血とは意味合いが異なることが多い。
a アナフィラキシーショックにてみられる。
b 敗血症性ショックにてみられる。
c 正しい。神経原性ショックにてみられる。VVRはによる血圧低下は神経原性ショックに分類される。
d 過換気症候群にてみられる。
e 血圧は低下していたはずである。

正答率:74%

テーマ:【長文1/2】血管迷走神経反射〈VVR〉で推測される診察所見

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