107F16

60歳の女性。顔のむくみ、息苦しさ及び痰に血が混じることを主訴に来院した。3か月前から顔面腫脹、咳嗽および呼吸困難のため自宅近くの診療所で抗菌薬と利尿薬とを処方され内服したが軽快しなかった。1週前から血痰もみられるようになったため受診した。喫煙は30本/日を35年間。意識は清明。身長160cm、体重68kg。体温36.7℃。脈拍92/分、整。血圧140/96mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈と前胸部皮静脈とに怒張を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右鎖骨上窩に径2cmのリンパ節を触知する。NSE 107ng/mL(基準10以下)、ProGRP 580pg/mL(基準46以下)。胸部エックス線写真を別に示す。
狭窄または閉塞が考えられる血管はどれか。
右上肺静脈
腕頭動脈
上大静脈
右肺動脈
下大静脈

解答: c

107F16の解説

高齢女性の血痰。画像にて右肺門部に腫瘤影があり、NSEとProGRPが上昇していることと合わせ、肺小細胞癌を考えたい。顔面腫脹、頸静脈・前胸部皮静脈の怒張がみられ、上大静脈症候群を呈している可能性が高い。
a・d 肺動静脈狭窄では心不全症状がみられる。
b 腕頭動脈の狭窄では右の上肢と頭頸部との虚血がみられる。
c 正しい。上記の通り。
e 下大静脈の狭窄では下肢に浮腫がみられる。

正答率:93%

テーマ:肺小細胞癌による上大静脈症候群の患者の病態

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