107F15

研修医が学会での症例報告の原稿を準備している。発表は明後日に迫っている。症例の記述、診断手順、実施された治療などの執筆は問題なく終了した。しかし、考察で何を論じればよいか全くわからなかった。指導医師は明日朝一番で予行演習を行うよう指示した。研修医は今まで集めた論文の考察部分から段落ごと文章を抜き出し、参考文献として言及することなく自分自身の考察として記述した。
このまま発表する場合に該当する不正行為はどれか。
偽造
捏造
二重投稿
ひょう窃(盗用)
ギフト・オーサーシップ

解答: d

107F15の解説

他の論文から段落ごと文章を抜き出し、参考文献としてではなく自分自身の考察として記述してしまっており、いわゆる「パクリ」である。
a・b 偽造(ぎぞう)と捏造(ねつぞう)はほぼ同じことであり、ありもしない事実をでっち上げることを指す。厳密に違いを言うのであれば、偽造とは本物に似せた偽物を作ることであり、捏造とはそうしたモデルが存在しない場合にとある事実を紡出ことを指す。
c 二重投稿とは、同一内容を複数論文に投稿することを指す。わかりやすく言えば、「同じネタの使い回し」である。
d 正しい。いわゆる「パクリ」はひょう窃(盗用)に該当する。
e 論文作成に関与していない者を共同著者として表示することを指す。

正答率:97%

テーマ:研修医の学会発表における不正行為

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