107E54

50歳の男性。胃癌に対する開腹手術のためプロポフォール、セボフルラン及びロクロニウムで全身麻酔中である。皮膚切開を契機として、血圧が上がり脈拍数が増加した。膀胱温36.5℃。SpO2 99%。
追加すべきなのはどれか。
フェンタニル
ダントロレン
ニトログリセリン
スキサメトニウム
プロプラノロール

解答: a

107E54の解説

使用されている麻酔薬についてまず説明しておく。
 ・プロポフォール:全身麻酔の導入・維持に用いられる鎮静薬(静脈内点滴)。
 ・セボフルラン:全身麻酔の導入・維持に用いられる吸入麻酔薬。
 ・ロクロニウム:非脱分極性筋弛緩薬。
本患者では皮膚切開を契機に血圧と脈拍数の上昇をみており、麻酔が浅かったことにより痛み刺激に反応したものと思われる。

a 正しい。フェンタニルはオピオイド受容体に作用する鎮痛薬であり、現在の状態に有効である。
b ダントロレンは筋弛緩薬である。
c ニトログリセリンは血管拡張薬である。血圧低下には寄与するが、疼痛管理が不十分である現状に対応できない。
d スキサメトニウムは脱分極性筋弛緩薬である。
e プロプラノロールはβ遮断薬。心拍数や血圧の低下には寄与するが、疼痛管理が不十分である現状に対応できない。

正答率:80%

テーマ:全身麻酔中に血圧上昇と脈拍数が上昇した場合に追加すべき薬剤

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