107E40

83歳の男性。妻と2人暮らし。脳梗塞後の定期受診のため妻に伴われて診療所に来院した。5年前に脳梗塞を発症したが、ごく軽度の左片麻痺を認めるのみで、屋内はつたい歩きが可能で日常生活は自立している。要介護1であるが、介護保険サービスは屋内手すりの設置しか利用していない。趣味活動は特にない。半年前から転倒が多くなり、寝てばかりいるという。脈拍84/分、整。血圧132/88mmHg。呼吸数22/分。頭頸部に異常を認めない。胸部と腹部とに異常を認めない。見当識は保たれており、指示動作にも問題なく従える。新たな神経学的所見を認めない。座位を長く続けられず、診察時もすぐに横になりたがる。紹介した病院で頭部CTを含め精査を受けたが新たな異常は指摘されなかった。
適切な対応はどれか。
施設への入所を勧める。
自宅での安静を指示する。
訪問看護の利用を勧める。
屋内での車椅子の利用を指導する。
通所リハビリテーションの利用を勧める。

解答: e

107E40の解説

「ごく軽度の左片麻痺を認めるのみで、屋内はつたい歩きが可能で日常生活は自立している」という記載がすべてであろう。
a 日常生活は自立しており、施設入所は不要。
b 寝てばかりいるのは認知症や廃用症候群のリスクとなるため問題である。安静指示は不適切。
c ごく軽度の左片麻痺を認めるのみである以上、看護が必要とは考えられない。
d つたい歩きが可能な以上、車椅子の利用は不要である。
e 正しい。外出するよい機会にもなるため、通所リハビリテーションは有用である。

正答率:86%

テーマ:脳梗塞後の片麻痺を残す高齢男性への適切な対応

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