107B48

63歳の男性。胸痛と呼吸困難とを主訴に来院した。1か月前から歯痛があったが、そのままにしていた。4日前から頸部の腫れを自覚していた。本日夜間に発熱と胸痛とを自覚し、呼吸困難が次第に増悪したため救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長165cm、体重67kg。体温39.5℃。脈拍112/分、整。血圧100/70mmHg。呼吸数18/分。SpO2 93%(room air)。頸部に発赤腫脹を認め、呼吸は促迫している。血液所見:赤血球420万、Hb 14.1g/dL、Ht 43%、白血球17,000(桿状核好中球8%、分葉核好中球72%、好酸球1%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球16%)、血小板28万。CRP 30mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)とを別に示す。気道確保を行い抗菌薬を投与し、集中治療室に入院させた。
治療として適切なのはどれか。2つ選べ
頸部切開排膿
口蓋扁桃摘出術
胸腔ドレナージ
縦隔搔爬ドレナージ術
上行大動脈人工血管置換術

解答: a,d

107B48の解説

高齢男性の胸痛と呼吸困難。CRPがなんと30mg/dlまで上昇しており、よほど強い細菌感染が窺い知れる。画像Aでは縦隔の拡大を、画像Bでは前縦隔全体に広がる陰影と内部にガスと思われるair像をみる。頸部の腫れがあることと合わせ、頸部膿瘍由来の縦隔膿瘍が考えやすい。
a 正しい。頸部膿瘍に対する適切な対応である。
b 扁桃炎に有効な処置。
c 気胸や大量胸水に有効な処置。
d 正しい。縦隔膿瘍に対する適切な対応である。
e 大動脈解離や大動脈瘤に有効な処置。

正答率:78%

テーマ:急性縦隔炎で気道確保と抗菌薬投与後の治療

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