106I58

32歳の女性。発熱と多関節痛とを主訴に来院した。3年前から光線過敏に気付いていた。1年前の冬にRaynaud現象が出現した。6か月前から時々、両側の手関節の関節痛を自覚していた。3か月前から多数の関節に腫脹と疼痛とがみられ、持続するようになったため受診した。体温38.6℃。脈拍92/分、整。血圧110/60mmHg。頸部に可動性のあるリンパ節腫脹を認める。両側の手関節、第2~4指の近位指節間関節および中手指節間関節に腫脹と圧痛とを認める。赤沈50mm/1時間。血液所見:赤血球310万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球3,300、血小板10万。血液生化学所見:AST 35U/L、ALT 40U/L、LD 370U/L(基準176~353)。CRP 1.5mg/dL。
この疾患の診断に最も感度の高い検査はどれか。
抗核抗体
抗Sm抗体
抗RNP抗体
抗dsDNA抗体
抗リン脂質抗体

解答: a

106I58の解説

若年女性の光線過敏症、多発関節炎、汎血球減少から全身性エリテマトーデス〈SLE〉を考える。
a 正しい。抗核抗体陰性は場合SLEの可能性は低い。つまり感度の高い検査である。そもそもb〜dはすべて抗核抗体に分類されるため、aが一番陽性となりやすいイメージは湧くはずだ。
b・d これらは特異度の高い検査である。
c 混合性結合組織病〈MCTD〉でみられる抗体。
e 抗リン脂質抗体症候群〈APS〉でみられる抗体。

正答率:55%

テーマ:全身性エリテマトーデス〈SLE〉の診断に最も感度の高い検査

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