106I44

55歳の男性。突然の右下腹部痛を主訴に来院した。今朝、右下腹部に、痛みを伴う膨隆があることに気付いた。体温36.8℃。恥骨結節の5cm右外側に径4cmの膨隆があり、圧痛を認める。陰嚢に圧痛を認めない。右下肢の腫脹と発赤とを認めない。血液所見:赤血球435万、Hb 16.1g/dL、Ht 44%、白血球8,400、血小板21万。血液生化学所見:総ビリルビン0.6mg/dL、LD 305U/L(基準176~353)、アミラーゼ113U/L(基準37~160)、CK 134U/L(基準30~140)。CRP 0.2mg/dL。
診断として最も考えられるのはどれか。
精巣上体炎
大腿静脈血栓症
化膿性リンパ節炎
鼠径ヘルニア嵌頓
大腿ヘルニア嵌頓

解答: d

106I44の解説

a 精巣上体炎であれば陰嚢に圧痛を認める。
b 右下肢の腫脹と発赤を認めないことから否定的である。
c 発熱は認めず、血液検査所見からも炎症性疾患は否定的である。
d 正しい。緊急手術の適応である。
e 恥骨結節の5cm右外側であり、部位として大腿三角の可能性は否定できない。しかし、高齢女性で好発することなど疫学的に可能性は低く、dを正解と考える。実際の医療現場では、CTで最終的に診断する。

正答率:84%

テーマ:鼠径ヘルニア嵌頓

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