106I40

68歳の女性。粘膜部のびらんと全身の発疹とを主訴に来院した。5日前、風邪症状に対して市販の総合感冒薬を内服した。2日間内服を続けたところ、3日前から結膜充血と口腔内びらんとに加えて、顔面、体幹および四肢に紅斑とびらんとが出現した。初診時、全身の80%に紅斑が見られ、こすると容易にびらんを形成した。顔面の写真(A)と、背部の紅斑をこすって生じたびらんの写真(B)とを別に示す。
診断として考えられるのはどれか。
中毒性表皮壊死剥離症〈TEN〉
結節性紅斑
膿疱性乾癬
扁平苔癬
固定薬疹

解答: a

106I40の解説

市販感冒薬を服用後、全身のびらんが出現している。皮膚をこするとびらんが出現するNicolsky現象もみられる。中毒性表皮壊死剥離症〈TEN〉の診断。
a 正しい。上記の通り。
b Behçet病などで見られる。
c 乾癬でみられるような病理像(表皮内の無菌性膿疱)が認められるず、不適。
d 偏平苔癬では確かに口腔内に粘膜疹が認められる。しかし、Nicolsky現象はみられず、急激に全身に広がることが考えにくい。
e 固定薬疹では、特定の薬物で同一部位に薬疹が出現するため不適。

正答率:96%

テーマ:中毒性表皮壊死剥離症〈TEN〉の診断

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