106H37

次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
57歳の男性。会社員。労作時の息苦しさを主訴に来院した。
現病歴:10日前から夜に咳込むようになった。4日前から自宅の階段を昇るときに息苦しさを自覚するようになり、次第に症状が増悪したため受診した。
既往歴:43歳時に尿管結石。会社の健康診断で、45歳時に高血圧を、55歳時に心房細動を指摘されたが、受診しなかった。
生活歴:3か月前からオウムを飼っている。
家族歴:父親が高血圧症で加療中。
現 症:意識は清明。身長167cm、体重64kg。体温36.1℃。脈拍124/分、不整。血圧146/84mmHg。呼吸数30/分。甲状腺の腫大を認めない。聴診上、III音を聴取する。両側の胸部でcoarse cracklesを聴取する。両側の下腿に浮腫を認める。
検査所見:心電図で心房細動を認める。胸部エックス線写真を別に示す。
この患者の胸部エックス線写真の所見として認められるのはどれか。
両側肺の過膨張
気管透亮像の偏位
下行大動脈の蛇行
肋骨横隔膜角の鈍化
両側肺門リンパ節の腫脹

解答: d

106H37の解説

10日前からの咳嗽と4日前からの労作時呼吸苦を主訴に来院した57歳男性。両側性にcoarse craklesとIII音を聴取し、下腿浮腫を認めることから心不全による夜間咳嗽と考えられる。胸部エックス線の読影問題である。
a 両側肺の過膨張は慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉で認める。
b 画像からは気管透亮像の偏位は認めない。
c 画像上下行大動脈の蛇行は認めない。
d 正しい。両側の肋骨横隔膜の鈍化を認めており胸水貯留が示唆される。
e 両側肺門リンパ節腫脹はサルコイドーシスの特徴的所見である。

正答率:91%

テーマ:【長文1/2】オウム病を疑う患者の胸部エックス線写真の読影

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし