106E55

55歳の男性。左中大脳動脈領域の脳梗塞で2週前から入院中である。意識は清明。右片麻痺と失語症とが残存している。食欲はあり、臥位から座位になることがかろうじて自力でできるものの、車椅子やポータブルトイレへの移動には介助が必要である。患者本人はリハビリテーションに意欲的で、自宅での生活を希望している。妻と2人暮らしで、同じ町内には娘が暮らしている。
地域連携クリニカルパスに沿った対応はどれか。2つ選べ
成年後見制度の利用を勧める。
特定機能病院への転院を勧める。
特別養護老人ホーム入所の手続きを行う。
医療ソーシャルワーカーとの面談を設定する。
回復期リハビリテーション病棟を有する病院に患者情報を提供する。

解答: d,e

106E55の解説

左中大脳動脈領域の脳梗塞で2週前から入院中である中年男性の、地域連携クリニカルパスに沿った今後の対応が問われている。
a 成年後見制度とは、知的障害や精神障害、認知症などの精神上の障害により判断能力が十分でない人が不利益を被らないように家庭裁判所に申立て、援助してくれる人を付けてもらう制度である。本例では失語はあるも意思の疎通は可能であり、制度の利用は必要ない。
b 特定機能病院は高度先端医療を提供する病院であり、急性期後である脳梗塞患者は転院対象とはならない。
c 特別養護老人ホームとは、常時介護が必要でありかつ、居宅での介護が困難な者の入所施設であり、自宅での生活を希望している本例では適応とならない。
d・e 正しい。地域連携クリニカルパスに則り、医療ソーシャルワーカーとの面談を設定し、回復期リハビリテーション病棟を有する病院へ患者情報を提供を相談検討していく。

正答率:96%

テーマ:地域連携クリニカルパス

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